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臨床研究について

臨床研究について

現在複十字病院で進行中の臨床研究

ここに、実施中の複十字病院での臨床研究一覧を表示します。

国の臨床研究指針では各医療機関で行われている臨床研究内容を広く掲示し、研究協力同意に関する資料とするとともに、これら研究に参加したくない場合は研究対象から外すことが自由に出来る事を周知する事になっています。

これを御覧になり、この研究対象から自分を外してほしいと希望する方は以下の掲示にある各研究の研究代表者にご連絡ください。
これによる不利益は一切ありません。

2024年4月
公益財団法人結核予防会複十字病院
倫理審査委員長 田中良明

承認研究

現在進行中の研究については以下のとおりです。

研究名 日本人慢性肺アスペルギルス症に対する日常診療下におけるイサブコナゾニウム硫酸塩の前向き介入研究(PIIS-CPA)
研究承認日 2024年11月18日
承認番号 24031
研究代表者 呼吸器センター 田中 良明
実務担当者 呼吸器センター 田中 良明
研究期間 研究承認日から2028年5月31日まで
研究内容 本研究は、日本人慢性肺アスペルギルス症に対し、日常診療下でイサブコナゾニウムを長期投与した際の安全性、忍容性および有効性を確認することを目的とした、多施設共同、非盲検、非対照、前向き介入研究です。
本研究は、診断/登録期、治療期から構成され、治療期にはイサブコナゾニウムを最大1年間投与します(医師は日常診療下と同様に治療期間を判断いたします。医師の判断で1年を超えて治療を継続することが可能ですが、本研究で対象とする期間は最大1 年間です)。投与方法は、静脈内投与または経口投与の2種類より選択し、投与開始後の投与経路は、患者様の状態に応じて随時、いずれの経路への切り替えも可能です。投与開始前、6 週後、12 週後、6ヵ月後(26 週後)、9 ヵ月後(39 週後)、1 年後(52 週後)および投与中止/終了時に規定された検査、観察を行います。
御協力いただくことがら 規定の来院日に問診、身体測定、採血、喀痰検査、12誘導心電図、レントゲン、CTのデータを収集し将来の診療に役立たせていただきたく存じます。
個人情報の取り扱い:調査するデータはすべて匿名化いたします。

 

研究名 気腫性変化を背景とする非線維性過敏性肺炎の画像解析
研究承認日 2024年10月29日
承認番号 24029
研究代表者 複十字病院 院長 大田 健
実務担当者 呼吸器センター 平野 愛
研究期間 研究承認日から2025年10月13日まで
研究内容 非線維性過敏性肺炎とは特定の抗原を繰り返し吸入することで生じるアレルギー性の間質性肺炎です。胸部CT検査で、両側の肺にすりガラスのように広がる陰影が特徴的ですが、喫煙の影響で肺の気腫性変化が強い患者様の場合は陰影の評価が難しくなります。そこで、当院の非線維性過敏性肺炎の患者様の胸部CT画像を3D画像解析システム『SYNAPSE VINCENT』を用いて解析し、肺の低吸収域を数値化して気腫合併非線維性過敏性肺炎のCT画像について比較・検討します。これにより、将来的な非線維性過敏性肺炎の診断に役立てられると考えております。
御協力いただくことがら 2019年2月から2024年9月の間に当院で非線維性過敏性肺炎と診断され、当院で胸部CT検査を受けた患者様のCT画像を使用いたします。
調査するデータはすべて匿名化いたします。
ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 

研究名 胸水精査における胸水中マクロファージと中皮細胞の有用性についての検討
研究承認日 2024年10月29日
承認番号 24028
研究代表者 呼吸器センター 下田 真史
実務担当者 呼吸器センター 下田 真史
研究期間 研究承認日から2026年12月31日まで
研究内容 【本研究の目的】
胸水貯留を認める患者様に対して、一般的に胸腔穿刺による胸水の生化学検査、細菌学的検査、病理学的検査を行います。そのうち生化学検査における細胞分画は好中球、リンパ球、好酸球比率が臨床的に使用されます。一方で胸水中にマクロファージと中皮細胞という細胞もしばしば認めますが診断的な価値はないといわれています。しかしそのエビデンスは限られており、これらのマーカーの有用性についての検討は十分とはいえません。そこで当院で胸水検査を行った患者様のデータを収集し、胸水中のマクロファージと中皮細胞比率を疾患ごとに比較することとしました。
【研究の方法】
研究形態:後ろ向き研究
期間:2012月1日から2024年6月
対象となる患者様:上記期間内で胸水検査を行い、確定診断に至った患者様
除外基準:確定診断に至らなかった患者様、胸水生化学検査を施行していない患者様、治療効果目的に胸水検査を行った患者様、18歳未満の患者様
主要評価項目:疾患ごとの胸水中マクロファージと中皮細胞比率
副次評価項目:病歴、身体所見、血液検査、胸水検査、画像所見、病理所見、培養検査など
御協力いただくことがら 上記の研究課題に対し、対象となる患者様の病歴、身体所見、血液検査、胸水検査、画像所見、病理所見、培養検査などのデータを使用させていただき、将来の胸水貯留を認める患者様の診療に役立たせていただきたいと存じます。
【個人情報の取り扱い】
調査するデータはすべて匿名化します。情報を収集する際に連結可能で匿名化ができる連続した番号を割り付けし、施錠する管理区域内に対応表を保存します。また連結可能で匿名化ができる連続した番号を本研究の提供者個々のIDとし、研究者間の臨床データなどのやりとりはすべてIDを運用して行います。

 

研究名 低用量エタンブトール投与によるマクロライド耐性化の頻度と耐性リスク因子に関する調査
研究承認日 2024年10月29日
承認番号 24026
研究代表者 呼吸器センター 森本 耕三
実務担当者 呼吸器センター 伊藤 優志
研究期間 研究承認日から2025年12月31日まで
研究内容 肺 Mycobacterium avium complex 症(肺MAC症)においては、低用量(12.5 mg/kg以下)のエタンブトール投与の有効性が報告されていますが、長期間の低用量投与によるマクロライド耐性化のリスクについては検討不十分です。今回、当院でエタンブトールを含む治療を受けられた肺MAC 症患者さんの治療経過に関する情報をカルテで収集し、マクロライド耐性化の頻度とそのリスク因子を解析いたします。
御協力いただくことがら 患者さんのカルテから情報を収集します。

 

研究名 肺癌患者の術式選択と他病死リスクに関する多施設共同後ろ向き観察研究-肺切除と他病死リスク研究
研究承認日 2024年11月5日
承認番号 24025
研究代表者 呼吸器センター 平松 美也子
実務担当者 呼吸器センター 平松 美也子
研究期間 研究承認日から2027年12月31日まで
研究内容 この研究では、臨床病期期の肺がんに対して手術を受け、肺がんの再発を認めていない患者さんが、長期的にどのような経過をたどっておられるかを調べます。特に、手術の際の肺の切除量とその後の経過について注目しています。
残念ながら他の原因でお亡くなり(他病死)になった方については、肺の切除量がその原因にどの程度影響しているかを調べます。大規模なデータを集めることで、肺がんの患者さんにどのような手術を行うことが他病死のリスクを下げるうえで重要なのかを明らかにすることを目的としています。
御協力いただくことがら 具体的には、現在のお身体の状況、お亡くなりになっている場合には亡くなられた日付、亡くなられた原因を確認します。また、肺がんの手術を受けられた時点での患者さんのお身体の状況、手術で切除された肺の部位や大きさ、手術後の合併症の有無などに関する情報を集めます。

 

研究名 ニューモシスチス肺炎に対する治療開始後の菌検査(BAL、喀痰)の陽性率に関する研究
研究承認日 2024年10月28日
承認番号 24022
研究代表者 呼吸器センター 下田 真史
実務担当者 呼吸器センター 下田 真史
研究期間 研究承認日から2026年12月31日まで
研究内容 【本研究の目的】
ニューモシスチス肺炎(PCP)は免疫が低下した患者様に発症する重篤な呼吸器感染症です。その診断は菌を確認することが重要であり、治療開始後でもPCR検査を含む菌の検出は可能であるといわれています。PCPは呼吸不全が急速に進行して重症化することがあるため臨床診断により治療を先行し、治療開始後に気管支鏡検査を行うことも多いです。しかし治療開始後いつまでの期間で菌が検出できるのかは不明であり、検査を行うタイミングによって偽陰性になる可能性があります。そこで、PCPの診断で治療を行った患者様のデータを収集し、菌検査を行ったタイミングと検査結果から適正な検査時期を検討したいと考えます。
【研究の方法】
研究形態:後ろ向き研究
期間:2019年1月1日から2024年8月31日
対象となる患者様:ニューモシスチス肺炎と診断され治療を行った患者様を対象とする。多機関からデータ収集を依頼します。
除外基準:18歳未満の患者様、他疾患との鑑別が困難であった患者様、ニューモシスチス肺炎に対する治療を行わなかった患者様。
主要評価項目:菌検査(BALや喀痰検体によるグロコット染色、PCR検査)結果と治療開始からその採取日までの期間
副次評価項目:年齢、性別、既往歴、予後、血液・BALの生化学検査など
御協力いただくことがら 上記の研究課題に対し、対象となる患者様の病歴、身体所見、血液検査、胸水検査、画像所見、病理所見、培養検査などのデータを使用させていただき、将来の胸水貯留を認める患者様の診療に役立たせていただきたいと存じます。
【個人情報の取り扱い】
調査するデータはすべて匿名化します。情報を収集する際に連結可能で匿名化ができる連続した番号を割り付けし、施錠する管理区域内に対応表を保存します。また連結可能で匿名化ができる連続した番号を本研究の提供者個々のIDとし、研究者間の臨床データなどのやりとりはすべてIDを運用して行います。

 

研究名 胸部単純X線画像読影支援機能の有用性評価
研究承認日 2024年9月5日
承認番号 24019
研究代表者 放射線診療部 部長 黒﨑敦子
研究期間 研究承認日から2025年3月31日まで
研究内容 本研究は日本医科大学、関東中央病院、富士フイルム株式会社との多機関共同研究です。胸部X線検査は、世界中で最も頻繁に行われる画像検査です。胸部X線画像は肋骨、血管、心臓など複数の組織が重なって描出されるため、読影が難しく、経験と専門知識が必要です。
今回、富士フイルム株式会社保有の画像解析技術を応用した、胸部単純X線検査で発見される異常領域(結節/腫瘤/浸潤影、気胸、胸水)の検出を支援する機能を評価いたします。
この機能は、通常診療で撮影・収集された胸部単純X線画像を用いなければ研究および評価が困難であり、そのため、過去の複十字病院の画像データを使用いたします。
御協力いただくことがら 本研究にご協力をいただきたい対象者は、2018年4月1日から2023年12月31日の間に複十字病院の通常診療にて胸部単純X線検査をされた方々です。取得する情報は、通常診療で収集された胸部単純X線画像で、検診の読影結果として異常領域(結節/腫瘤/浸潤影、気胸、胸水)を指摘された症例100例程度および、異常の見られなかった症例200例程度です。これらの症例に対して異常領域検出支援機能を適用し、評価いたします。
本研究にご協力をいただく胸部単純X線画像から特定の個人が識別できない情報を作成し、富士フイルム株式会社へ提供いたします。提供された情報は本共同研究だけでなく、本機能の有するソフトウェアの薬事承認申請および市販後製品の品質の維持・向上に使用されることがあります。
利益相反 本研究は、富士フイルム株式会社より研究資金の提供を受けて実施いたしますが、複十字病院利益相反アドバイザリー機関に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。

 

研究名 マクロライド耐性の肺アブセッサス症の患者における、標準的な治療下での喀痰培養陰性化達成までの期間及び喀痰培養陰性化を達成した割合を調査するための後向き観察研究
研究承認日 2024年9月3日
承認番号 24017
研究代表者 呼吸器センター 森本 耕三
実務担当者 呼吸器センター 伊藤 優志
研究期間 研究承認日から2024年12月31日まで
研究内容 最難治性 NTM症であるマクロライド耐性肺アプセッサス症は有効な治療薬が限られており、難治化し易く予後不良で、新しい治療薬が求められています。マクロライド耐性肺アブセッサス症に対する標準治療の有効性を評価するために、これまで当院で標準的な治療を受けたマクロライド耐性肺アブセッサス症患者のカルテデータから、有効性の評価に必要なデータを抽出·匿名化します。抽出データを慶応義塾大学医学部·感染症学教室に提供し、慶応義塾大学医学部のデータと合わせて集計解析を行います。
御協力いただくことがら 患者さんのカルテから情報を収集いたします。

 

研究名 肺アスペルギルス症で肺切除後の周術期成績と長期予後の調査
研究承認日 2024年8月14日
承認番号 24014
研究代表者 呼吸器センター 白石 裕治
実務担当者 呼吸器センター 名波 勇人
研究期間 研究承認日から2025年8月13日まで
研究内容 2002年から2023年までに当院で肺アスペルギルス症またはその疑いの診断で肺切除に至った患者様の長期予後調査を行います。
御協力いただくことがら 過去カルテ情報、画像や検査結果の閲覧を行います。当院での経過観察を終えた患者様への存命確認を電話で確認することがあります。また、他院への転院や他院での経過観察を当院からお願いされていた場合は、病院を通して連絡することがあります。

 

研究名 乳癌手術におけるセンチネルリンパ節生検適応の意義についての検討
研究承認日 2024年7月29日
承認番号 24012
研究代表者 乳腺センター 武田 泰隆
実務担当者 乳腺センター 武田 泰隆
研究期間 研究承認日から2025年7月28日まで
研究内容 乳癌患者で臨床的腋窩リンパ節転移陰性症例にセンチネルリンパ節生検を行った場合、センチネルリンパ節転移陽性であっても、非センチネルリンパ節転移陰性例の割合が高いことが報告されており、センチネルリンパ節転移陽性の症例全例に腋窩リンパ節郭清を行うことは過剰治療となることが指摘されています。本研究では、臨床的腋窩リンパ節転移陰性症例に対してセンチネルリンパ節転移陽性であっても、腋窩リンパ節郭清を安全に省略す症例を抽出することが可能か、またセンチネルリンパ節生検自体の省略が可能かを検討する研究です。
御協力いただくことがら 2006年7月から2019年12月までの乳癌患者でセンチネルリンパ節生検を受けた症例のカルテ情報、 画像や検査結果の閲覧のみです。

 

研究名 バイオヒステリシスを考慮した難治性感染症の治療抵抗性要因の解明と普遍的効果を示す次世代型抗菌薬創薬への応用
研究承認日 2024年7月29日
承認番号 24009
研究代表者 呼吸器センター 森本 浩三
実務担当者 呼吸器センター 藤原 啓司
研究期間 研究承認日から2029年3月31日まで
研究内容 本研究は藤田医科大学を含めた他の6施設との共同研究です。近年、肺非結核性抗酸菌(NTM)症は世界的に急増し大きな問題となっています。しかしながら、現行の治療効果には患者間で大きなばらつきがあり、それは病原体側と患者側の様々な因子が相互的に関与していると考えられます。そこで本研究では、当院で保存されている NTM分離株に対して臨床的解析および微生物学的解析を行うことにより、肺NTM症に対して普遍的に効果を示す新規抗菌薬の開発を目的とします。
御協力いただくことがら NTM 菌種が分離された方のカルテや診療記録を閲覧させていただき、該当菌株の解析を行わせていただきます。

 

研究名 肺非結核性抗酸菌症患者に対する振動呼気陽圧療法器具(Aerobika@)による気道クリアランスの効果検証:ランダム化比較試験
研究承認日 2024年9月9日
承認番号 24008
研究代表者 呼吸器センター 森本 耕三
実務担当者 呼吸ケアリハビリセンター 大野 一樹
研究期間 研究承認日から2027年3月8日まで
研究内容 研究の対象となるのは,胸部CT写真で気管支拡張を認め,咳・痰症状がある肺非結核性抗酸菌症患者さんです。入院時に「呼吸法による排痰を行うグループ」,もしくは「機器を用いて排痰を行うグループ」のいずれかにランダムに振り分けさせていただきます(患者さんご自身で選択することはできません)。指定された排痰を入院中4週間,退院後4週間,計8週間行っていただきます。
御協力いただくことがら 入院時,退院時,退院から4週間後の計3回,アンケート調査へのご協力をお願いいたします。

 

研究名 複十字病院におけるMDR結核患者の治療後の培養陰性までに要する時間とそれに影響を与える要因についての後ろ向きコホート研究
研究承認日 2024年5月31日
承認番号 23007
研究代表者 ・ 実務責任者 結核センター 吉山 崇
研究期間 研究承認日~2025年8月31日
研究内容 2017年9月から2023年5月に治療を開始した多剤耐性結核患者の治療成績を検討する。この間の結核患者での治療失敗例は存在しないが、高齢死亡例を除き、菌陰性となるまでの期間を検討する。カルテ内容から得られた情報の分析を行う。
御協力いただくことがら カルテ情報の分析を行うことについての許可。なお、研究にあたってはカルテ情報は匿名化し、個人の名前などの情報は用いません。

 

研究名 アミカシン耐性肺MAC症患者のリスク因子・遺伝学的な特性・治療効果の検討
研究承認日 2024年5月17日
承認番号 24005
研究代表者 / 実務責任者 呼吸器センター 
研究責任者:森本 耕三 / 実務責任者:児玉 達哉
研究期間 研究承認日~2026年3月31日
研究内容 空洞、広範囲な気管支拡張・結節影、マクロライド耐性例の肺MAC症に対しては、注射用アミカシン(AMK)を併用することが推奨されている。マクロライド系薬剤とともにAMKのMICはその後の治療効果に反映すると言われている。近年AMK耐性症例が散見されるものの耐性化のリスク因子、分子特性、耐性化確認後の転帰に関する研究は少ない。アミノグリコシド系注射薬使用歴のある難治性肺MAC症患者を対象とし、アミカシン耐性のリスク因子・分子特性、またアミカシン耐性肺MAC症患者のその後の治療転帰を調査する。この研究により特に重症肺MAC症患者に対する適切な治療マネージメントにつながることを期待する。
御協力いただくことがら 上記対象例の過去の画像とカルテ情報の閲覧を行います。また診療の一環として採取した喀痰・気管支鏡検体を使用します。

 

研究名 アナフィラキシー症例に関する実態調査
研究承認日 2024年5月2日
承認番号 24002
研究代表者 ・ 実務責任者 副院長(呼吸器内科)早乙女 幹朗
研究期間 研究承認日~2027年3月31日
研究内容 本研究は、昭和大学医学部皮膚科学講座 猪又 直子教授により実施される多施設共同研究です 。アナフィラキシーは重篤な全身性の過敏反応 であり、通常は急速に発現し、死に至ることも あり、本症発症時の迅速な治療や原因究明が十 分に達成される医療体制が望まれています。こ れまで、本症の診療実態に関して、特に、思春 期や成人期について、我が国における全国規模 の調査の報告は稀であり、その実態について十 分に明らかにされていません。そこで、アナフ ィラキシーの診療実態を解析し、課題を明らか にするために、日本皮膚免疫アレルギー学会が 主導し、日本アレルギー学会の協力を得ながら 調査を行うこととなりました。本研究は、我が 国の成人期 思春期(12歳以上)のアナフィラキ シー症例の特徴を把握し、課題を明らかにして 、診療の向上を図ることを目的とし、参加医療 機関でアナフィラキシーを起こした症例につい て、匿名化した症例調査票に記入して事務局へ 送付します。
御協力いただくことがら 過去のカルテ情報、検査結果の閲覧をおこないます。

 

研究名 肺非結核性抗酸菌症患者における睡眠障害の特徴および健康関連生活との関連
研究承認日 2023年5月26日
承認番号 23005
研究代表者 / 実務責任者 公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸ケアリハビリセンター
研究責任者:髻谷 満 / 実務責任者:豊田 裕規
研究期間 研究承認日~2026年3月31日
研究内容 2017年6月以降に当院で肺非結核性抗酸菌症の診断で入院中に理学療法を行い身体機能検査や質問紙にご協力いただいた方の診療録や身体機能検査、質問紙の内容などから睡眠障害の特徴や健康関連生活の質との関連に関する調査を行います。
御協力いただくことがら 上記対象の方の診療録や身体機能検査、質問紙の閲覧

 

研究名 DRC1エクソン1-4広範囲欠失を有する線毛機能不全症候群の臨床像の解析
研究承認日 2022年2月14日
承認番号 21039
研究代表者 結核研究所 慶長 直人
実務担当者 呼吸器センター長 森本耕三
研究期間 研究承認日から2027/3/31まで
研究内容 線毛機能不全症候群は直接的な治療薬がない、難治性の疾患です。線毛の異常のタイプには様々ありますが、これまでの検討で、日本人に多いタイプ(DRC1)があることが明らかとなっています。しかしながら、希少疾患であるために、その臨床的、放射線学的(CT所見)特徴は明らかとなっていません。本研究は、DRC1変異が明らかとなっている患者さんの特徴を明らかとすることを目的として、別のタイプとを比較検討します。
結核研究所を主たる施設として、線毛機能不全症候群と診断された患者さんの診療記録(カルテ、血液、肺機能、培養検査、放射線検査など)を使用させていただきます。また、全国の協力施設からは同様の情報提供をいただき、データを統合して研究を行います。
御協力いただくことがら 過去のカルテ情報、画像や検査結果の閲覧をおこないます。

 

研究名 非結核性抗酸菌症の疫学実態調査と環境要因に関する探索的研究
研究承認日 2020年3月31日
承認番号 19046
研究代表者 呼吸器センター医長 森本耕三
研究期間 研究承認日から2030/3/31まで
研究内容 本症は難治性であるにもかかわらず届け出で感染症ではないため疫学的な実態が不明であり, 正確な有病率及び催患率の推移を推定することが求められている。研究者らは今まで死亡統計データ、大手検査会社の非結核性抗酸菌データ、レセプト情報 ・特定健診等情報データベース(ナショナルデータベース)を用いての肺 NTM症の治療有病率、治療罹患率を分析してきました。
今回は国立国際医療研究センターをはじめ他の4施設と協力し肺NTM 症の罹患率及び有病率についてレセプトを用いた症例定義のバリデーションを行う研究を予定しています。さらにこのバリデーション研究で確立した症例定義を用いて、レセプト情報 ・ 特定健診等情報データベース (ナショナノレデータベース) の情報を用い、2012〜2020年度に非結核性抗酸菌症と診断された例数の調査を行行う予定です。
御協力いただくことがら 当院過去の非結核性抗酸菌症死亡50例のカルテ調査です。

 

研究名 日本人肺非結核性抗酸菌(NTM)症の発症・進展に関わる遺伝因子の網羅的遺伝子解析(Genome-wide association study :GWAS) (多施設共同研究)
研究承認日 2020年3月31日
承認番号 19044
研究代表者 呼吸器センター医長 森本耕三
研究期間 研究承認日から2040/12/31
研究内容 本研究は米国を含め他の9施設との共同研究です。肺非結核性抗酸菌(NTM)症は、主に中年以降の女性に好発する難治性の慢性進行性呼吸器感染症であり、近年増加が顕著です。家族集積性のあることや, やせ型の中年女性に好発することから、NTM 発症には環境因子に加えて遺伝素因の強い関与が推定されています。従来の方法では少数例の解析しか出来ませんでしたが、全遺伝子の遺伝子多型を包括的に解析するGenome-wide association study(GW AS) を行うことが可能となり, 呼吸器疾患領域においても、疾患に関連した遺伝子多型の発見が相次いでいます。しかし、肺NTM 症患者を対象としたGWAS の報告はなく、今後、肺NTM 症の発症や進展に関わる遺伝子多型を網羅的に解析することは、肺NTM 症の原因解明や治療法の開発につながる可能性があります。そこで本研究では、日本人の肺NTM 患者を対象としたGWAS を、都内で肺NTM 症の通院患者が多い施設を中心に、多施設共同研究として行います。
御協力いただくことがら 当院の場合同意を頂いた300名のご協力をお願いします。検体(末梢血)を用いた機能解析のため、研究協力者より末梢血を20ml 採取し、個人情報を復元可能保存化した後、SRL に送付し、PBMC・血漿を抽出したのちに慶慮義塾大学医学部に輸送・保存されます。もしくは各施設の研究室で直接各施設の研究室でPBMC・血竣を抽出したのちに各施設で輸送・保存される。また、機能解析の対照群としては健常ボランティアもしくは呼吸器内科に通院中の非肺NTM 症患者に説明・同意を得て取得した試料を用います。
データの収集、解析を目的として診療録を利用させて頂きます。得られたデータは、復元可能保存化した後、東京大学大学院医学系研究科・人類遺伝学教室もしくはLaboratory of Clinical Infectious Diseases, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health lへ送付する。また、得られた遺伝子情報に関して、当院に通院歴のある肺NTM 症ならびに気管支拡張症の臨床情報(血液検査、画像、呼吸機能、菌情報など)を用いて、発症・進展・予後への関与を検討します。

 

研究名 肺非結核性抗酸菌症の難治化・再発に関わる免疫調整因子の探索および機能解析
研究承認日 2020年2月17日
承認番号 19035
研究代表者 呼吸器センター医長 森本耕三
研究期間 研究承認日から2040/12/31
研究内容 本研究では、肺非結核性抗酸菌症の患者および明らかな慢性感染のない肺疾患を有する患者において、リンパ球などの免疫細胞の機能や、それに関与する表面マーカーを比較することで、肺非結核性抗酸菌症の悪化や再発などの病態に関与する宿主因子を探索します。本研究で肺MAC 症の悪化・再発に害与するメカニズムが明らかになることで、治療反応を予測するバイオマーカーの確立や、新たな宿主標的治療開発へとつながることが期待されます。 具体的には当院通院中の肺非結核性抗酸菌症の患者さんおよび明らかな慢性感染のない気管支拡張症あるいは慢性閉塞性肺疾患の患者さんから採血を行い、共同研究施設である結核研究所で、フローサイトメーターを用いて、CD4 陽性T細胞、CD8 陽性T細胞、NK T細胞など各リンパ球サブセットのサイトカイン産生能、あるいはPD-1、CTLA-4 などの免疫抑制受容体の発現などを測定します。研究の進捗によって、T 細胞以外の免疫細胞、具体的にはマクロファージの機能(サイトカイン産生能やインフラマソームの働き)なども解析することを検討します。さらに、次世代シークエンサーによるRNA-seq によって、肺MAC 患者の免疫状態に特異的に影響を及ぼす因子をRNA レベルで、探索します。
御協力いただくことがら 当施設の肺非結核性抗酸菌症と診断され症例(80 例)および明らかな慢性感染症のない肺疾患(気管支拡張症あるいは慢性閉塞性肺疾患)を有する症例(20 例)での臨床症状などと関連付けながら調べるために、下記情報についてカルテや診療記録を調査・利用する場合があります。診断名、性別、年齢、病歴、治療歴、既往歴、調剤歴、画像検査、血液・略疾検査結果などの提供をお願いします。

 

研究名 大腸がん肺転移に対する根治を目指した肺転移切除術の評価方法の検討
研究承認日 2019年11月7日
承認番号 19029
研究代表者 呼吸器外科医長 平松美也子
研究期間 研究承認日から2040/12/31
研究内容 帝京大学付属病院外科を代表研究施設とする全国23施設との共同研究です。大腸がんの肺転移に対する肺転移切除術は標準治療のーっとして行われている。しかし、大腸がん肺転移に対する肺転移切除術を行っても約半数は再発します。再発部位は肺転移再発が最も多く、再度肺転移切除(リピート切除)を行われることも少なくありません。近年大腸がんに対する化学療法の進歩により、化学療法により長期生存する患者が増加しており、肺転移切除後の成績を全生存で示すことの妥当性に問題が出てきています。そのためリピート切除にて根治した再発は根治可能な再発であったとみなし、根治不能な再発のみをイベントとして無再発生存をより正しく把握しようとする試みです。
御協力いただくことがら 1990年1月1日から2008年12月31日の19年間に大腸がん肺転移切除例として登録された1,356例のデータベース作成のための多施設共同コホート研究での過去のカルテ情報、画像や検査結果の閲覧のみです。

 

研究名 転移性肺腫瘍に対する肺切除症例データベース作成のための多施設共同コホート研究
研究承認日 2019年11月7日
承認番号 19028
研究代表者 呼吸器外科医長 平松美也子
研究期間 研究承認日から2040/12/31
研究内容 帝京大学付属病院外科を代表研究施設とする全国23施設との共同研究です。肺は腫擦の転移を起こしやすい臓器の一つです。転移性肺腫療に対して手術を行うときに、どういう特徴のある患者さんに治療のメリットが有るか、またどのような手術を行うのが良いか、といった詳細な点までは明らかになっていません。転移性肺腫瘍に対して肺切除術を受けられた患者さんの診療記録(情報:画像診断情報、原発l臓器に対する治療内容、治療内容、血液所見、転機等)を使用させていただきます。また他の医療機関(別紙リスト)からも匿名化された同様の患者情報の提供があり、データを統合して行う研究です。
御協力いただくことがら 過去のカルテ情報、画像や検査結果の閲覧のみです。