マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae という菌による呼吸器の感染症で、学童期のお子さんや若年の成人に多くみられます。マイコプラズマ感染症は自然に治ることもありますが、一部の患者さんでは肺炎を起こすことがあります。以前は4年に1度の流行を繰り返すとされていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で流行の周期が乱れ、2024年に大きな流行がみられました。
こんな症状の時マイコプラズマ肺炎を疑います
発症初期にはウイルス性上気道炎との鑑別が困難ですが、発熱が3日以上続く場合や、咳が1週間以上続き徐々に悪化する場合には、マイコプラズマ肺炎などの細菌感染症を疑います。
日本呼吸器学会の「成人肺炎診療ガイドライン2024」では、下記の6項目のうち5項目以上が当てはまる場合、マイコプラズマ肺炎を強く疑うとしています。
- 年齢60歳未満
- 基礎疾患がない、あるいは軽微
- 頑固な咳嗽がある
- 胸部聴診上所見が乏しい
- 迅速診断法で原因菌が証明されない*(マイコプラズマ抗原または遺伝子検査陽性を除く)
- 末梢白血球数が10,000/μl未満である
マイコプラズマ肺炎を疑ったら
マイコプラズマ肺炎が疑われる場合には、胸部X線写真を撮影して肺炎の有無を確認します。マイコプラズマ感染症の検査法には、イムノクロマト法による抗原検査法および、LAMP法による遺伝子検査があります。抗原検査法は簡便ですが、感度が低いため、陰性であってもマイコプラズマ感染症を否定することはできません。
マイコプラズマ肺炎の治療
マイコプラズマ肺炎を疑った場合には、抗菌薬による治療を行います。第一選択薬はマクロライド系薬ですが、近年は耐性菌の増加が問題となっています。治療を開始して48~72時間が経過しても発熱が続く場合や、それ以前でも症状が悪化するような場合には、テトラサイクリン系薬やレスピラトリーキノロンへの変更が必要になります。
気を付けること
マイコプラズマ肺炎は感染性が高いため、流行期にはマスクの着用、換気などの感染予防対策が重要です。併せて、石けんによる手洗いやアルコールによる手指衛生などの、基本的な感染予防対策も行いましょう。多くの方は治療により軽快しますが、稀に重症化することもあります。発熱や咳が続く場合には、治療開始が遅れないよう、早めに医療機関を受診するようにしましょう。