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病院概要

病院長挨拶

ご挨拶

この4月から、大田院長の後を継いで病院長に就任しました。私は、2008年から6年間、病院長を務めましたので、今度で2回目になります。この間も結核予防会本部に籍を置きながら、週1回の外来診療はもとより、理事長など立場は様々ですが、複十字病院とは切れ目なく関わり続けてきましたので、あまり空白を感じず今回の大田院長の退任に伴う後継をお引き受けしました。

かつて尾形正方名誉院長から院長職を引きついだとき、当院は救急指定病院でもありませんでした。二次救急指定を受けること、急性期病院の証である診療報酬の包括評価制度(DPC)に参加すること。それが最初の仕事でした。結核という超慢性期病院から急性期病院への脱皮には大変な努力を要します。当時の職員は、その困難な事業を結束して乗り越えてくれました。それによって、経営の立て直しも進みました。今では、年間1,000台を超える救急車を受け入れる急性期病院に成長しました。

職員の結束は、複十字病院の輝かしい伝統です。それがあったからこそ、東日本大震災では発災直後の対応とその後の岩手県への医療支援、そして最近のコロナ禍では3年間に4,000人を超える患者に対応し、1,000人を超える入院患者を受け入れることができたのだと思います。

複十字病院は、「呼吸器・結核」、「がん」、「生活習慣病」の三つを柱に医療を進め、この間に結核高度專門施設(2011年5月)、東京都がん診療連携協力病院(2012年4月)、東京都地域連携型認知症疾患医療センター(2016年7月)、東京都地域医療支援病院(2019年9月)をはじめ、いくつもの資格を獲得し、先日には病院機能評価の受審を果たしました。

複十字病院は、尾形名誉院長時代から清瀬市医師会はもとより、地域の先生方との医療連携の要となる「登録医会」(2003年発足)を大切にしてきました。現在では、350を超える医療機関が参加してくださっています。

複十字病院はいま乗り越えなければならない大きな課題に直面しています。コロナ禍で受診控えとなった入院・外来の減少、物価高騰にはるかに及ばない診療報酬は、全国の医療機関を赤字に追い込んでいます。複十字病院も例外ではありません。そのような中で、目前に迫る本館建て直しへの対応と、それを可能にする経営の改善が求められています。そのために一丸となって努力したいと思います。

職員と共に、皆様の応援を受けて課題に挑戦し、乗り切りたいと思います。よろしくお願いします。

2025年4月
公益財団法人結核予防会複十字病院
院長 工藤翔二

略歴

1967年東京大学医学部卒業。東京大学第三内科、都立駒込病院、日本医科大学教授、複十字病院院長、結核予防会理事長、理事長特別参与を経て、2025年4月より現職。日本医科大学名誉教授。この間、日本呼吸器学会理事長、厚生労働省特定疾患びまん性肺疾患調査研究班長など。志賀潔・秦佐八郎記念賞、日本医師会優功賞、環境大臣賞、厚生労働大臣功労賞、保健文化賞、ヘルシーソサエティ賞などを受賞。

専門分野

呼吸器内科学