令和4年度 (公益財団法人)結核予防会 複十字病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 17 50 66 191 418 742 1,426 1,059 190
 当院は日本有数の結核診療の伝統を有する病院であり、その流れから呼吸器疾患患者さんが多数を占めています。呼吸器疾患は加齢に伴い発症し、慢性化しやすい特徴を有します。また消化器科・乳腺科・糖尿病科も長くかかりつけの患者さんが多いのが特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎の内科的治療入院 243 18.83 18.57 4.94% 74.43
040040XX99200X 肺癌の検査入院(気管支鏡検査等) 208 2.89 3.05 0.48% 73.96
040170xxxxxx0x 非結核性抗酸菌症の内科的治療入院 192 20.66 8.81 0.00% 64.66
040040XX99040X 肺癌の化学療法入院 129 6.73 8.60 0.00% 72.11
040040XX9900XX 肺癌の内科的治療入院 72 16.90 13.49 5.56% 72.60
 当院は東京都がん診療連携協力病院として肺がんの診療に力を入れています。また、間質性肺炎については専門外来を設けて、診断・治療をおこなっています。非結核性抗酸菌症は他医療機関からのご紹介も多く、内科治療・呼吸リハビリテーション・外科手術も含めた集学的治療を積極的に実施しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX97X00X 肺癌の手術入院 90 14.22 10.06 0.00% 73.07
040170xxxxxx0x 非結核性抗酸菌症の手術入院 41 25.05 8.81 0.00% 61.68
040200XX01X00X 気胸の手術入院 17 10.53 9.68 0.00% 37.82
040040XX99200X 肺癌の検査入院(気管支鏡検査等) 14 2.21 3.05 0.00% 75.79
040040xx9900xx 肺癌の内科的治療入院 - - 13.49 - -
 当科は、低肺機能の患者さんにも対応すべく、手術前後の呼吸リハビリテーションを入念に行っています。また、他院ではあまり行われていない 「肺非結核性抗酸菌症」に対する手術も積極的に行っており、全国から多くの患者さんが受診されています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XXXX 小腸大腸ポリープ切除入院 66 4.32 2.64 0.00% 70.14
060035XX99X0XX 結腸癌の検査または内科的治療入院 35 3.03 8.36 0.00% 82.43
060020xx9900xx 胃癌の検査または内科的治療入院 - - 11.12 - -
060100xx99xxxx 小腸大腸ポリープの検査または内科的治療入院 - - 2.98 - -
060185XX99X0XX 潰瘍性大腸炎の内科的治療入院 - - 11.82 - -
 当科は、悪性腫瘍に対する化学療法や、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎などの内科的治療を行っています。 大腸ポリープに対する内視鏡的切除術の症例数は、昨年よりは少ないですが、コロナの影響を脱して、ほぼ例年並みに回復しています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸ポリープ切除入院 185 4.71 2.64 0.00% 69.36
060035XX99X0XX 結腸癌の検査または内科的治療入院 113 4.17 8.36 0.88% 82.43
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)手術あり - - 4.59 - -
060210XX99000X 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし - - 9.00 - -
060035XX010X0X 結腸癌の手術入院(結腸全切除または亜全切除等) - - 15.40 - -
 当科は、ヘルニアや胆石等の手術に加え、消化器全般の悪性腫瘍に対する手術を行っています。 その中でも大腸(結腸)癌に対する手術が最も多く行われています。
 2022年度も消化器外科入院のトップは、小腸大腸ポリープ切除でした。2020年度は、コロナ流行による受診控えが原因で、激減しましたが、2021年同様、例年並みの症例数まで回復しました。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳癌の手術入院 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う(内視鏡下によるものを含む。)) 92 13.70 9.99 1.09% 67.02
090010xx99x40x 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:ゲムシタビン塩酸塩、シクロホスファミド;塩酸エピルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル水和物) 27 4.00 3.66 0.00% 52.93
090010xx99x80x 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:ペルツズマブ) 11 4.00 5.67 0.00% 60.00
090010xx02xxxx 乳癌の手術入院 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 10 12.00 3.85 0.00% 67.40
090020XX97XXXX 乳房の良性腫瘍の手術入院 - - 4.04 - -
 当科は、乳房の悪性腫瘍に対する手術(創痕の小さい内視鏡補助下手術を中心に)および化学療法を行っています。 術後はリハビリをしっかり行って退院することを原則としており、在院日数がやや長めとなっています。十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながると考えています。化学療法の入院はパスで行っているため、固定日数になっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 10 - - 31 15 - 1 8
大腸癌 29 27 41 26 104 54 1 6,7,8
乳癌 44 80 - 14 - 23 1 8
肺癌 124 32 141 291 65 242 1 6,8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 数字は延べ患者数(延べ入院回数)ですので、患者実数とは異なります。 また、癌のステージは転移の有無などを総合的に検討して決定されるため、初回検査入院時に癌の診断が確定しても、その時点では転移の有無が不明であり、ステージも不明となります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 12.21 57.79
中等症 60 15.02 78.25
重症 17 17.59 84.59
超重症 - - -
不明 - - -
 軽症と比較し、中等症の平均年齢は21歳高くなっており、重症までは重症度が上がるほど平均年齢も高くなっています。超重症は今年度10例以下でした。なお新型コロナ肺炎は市中肺炎には算定されておりません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
 当院は、脳梗塞症例は積極的には受け入れていません。 他疾患で当院入院中に脳梗塞が合併した場合は、内科的治療のみを行い、更なる治療(血栓溶解療法等)が必要な場合は他院を紹介させていただいています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢に設置した場合) 45 6.04 13.93 2.22% 70.87
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 37 5.14 1.49 0.00% 70.35
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K508 気管支狭窄拡張術(気管支鏡によるもの) - - - - -
 当院では、喀血・血痰をコントロールする治療として、気管支動脈塞栓術を積極的におこなっており、放射線科医による専門外来も開いています。また、がん患者さんが点滴をおこなう際の針による痛みを最小限にすることや、抗がん剤が血管外に漏れることを心配せず安心して投与を受けられるように、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込み型カテーテルの設置を積極的におこなっています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 56 4.32 10.66 0.00% 71.98
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 24 3.88 9.38 0.00% 75.04
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 18 3.00 4.11 0.00% 63.39
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 18 7.61 4.17 0.00% 39.50
K5134 胸腔鏡下肺切除術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 17 13.65 15.18 0.00% 57.59
 当院では肺癌の手術のみならず「非結核性抗酸菌症」の手術においても積極的に胸腔鏡下手術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 67 0.01 3.30 0.00% 71.22
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - - - - -
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
  「内視鏡的大腸ポリープ切除」治療は3泊4日のクリニカルパスにて行っています。 ポリープ切除後は、出血の有無の確認のため入院していただいています。 その他、上部・下部消化管止血術や胆道ステント留置術など、内視鏡的手術も行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 168 0.15 3.36 0.00% 70.01
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 39 1.18 3.10 0.00% 75.74
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 29 4.59 5.90 0.00% 63.34
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 28 0.18 6.00 0.00% 71.93
K7193 結腸切除術(全切除、または亜全切除) 23 7.65 17.04 0.00% 75.91
 当科は、結腸癌の手術をはじめ、直腸癌や胃癌等、消化器の悪性腫瘍手術や胆石・胆嚢炎、虫垂炎、鼠径ヘルニア、他院では対応困難な腸結核合併症なども含む消化器全般の手術(腹腔鏡手術を含む)を数多く行っています。また、消化器内科医師と協力して内視鏡的治療も多数行っています。
乳腺甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 65 2.68 9.17 1.54% 68.43
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴う)・胸筋切除を併施しない) 33 2.45 12.21 0.00% 64.61
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル未満) - - - - -
K016 動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術 - - - - -
K4761 乳腺悪性腫瘍手術(単純乳房切除術(乳腺全摘術)) - - - - -
 乳房の悪性腫瘍の手術を行った患者さんは、術後はリハビリをしっかり行って退院することを原則としており、在院日数がやや長めとなっています。十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながると考えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 播種性血管内凝固症候群(DIC)は重症感染症などに合併する血液凝固異常で、敗血症は本来無菌である血液中でも細菌が増殖する、どちらも重篤な病態です。当院は重篤な呼吸器感染症や消化器感染症を治療する機会も多く、これらの病態も少ないながら認められました。
更新履歴
2023/09/28