令和2年度 (公益財団法人)結核予防会 複十字病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 24 69 106 187 395 829 1,412 985 153
 当院は日本有数の結核診療の伝統を有する病院であり、その流れから呼吸器疾患患者さんが多数を占めています。呼吸器疾患は加齢に伴い発症し、慢性化しやすい特徴を有します。また消化器科・乳腺科・糖尿病科も長くかかりつけの患者さんが多いのが特徴です。 入院患者さんに占める70歳以上の方の割合は61.3%(前年は62.2%)でした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX9910XX 肺の検査入院(気管支鏡検査等) 295 3.44 3.39 0.34% 72.34
040110XXXXX0XX 間質性肺炎の内科的治療入院 218 21.15 18.61 7.80% 73.21
040170XXXXXX0X 非結核性抗酸菌症内科的治療入院 137 21.77 9.38 0.00% 65.50
040040XX99040X 肺癌の化学療法入院 100 8.30 9.42 0.00% 71.64
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎内科的治療入院 88 26.19 20.51 27.27% 83.27
 当院は東京都がん診療連携協力病院として肺癌の診療に力を入れています。また、間質性肺炎については専門外来を開いて症例を広く集め、積極的に治療しています。非結核性抗酸菌症は他医療機関からのご紹介も多く、内科治療・呼吸リハビリテーション・外科手術も含めた集学的治療を積極的に実施しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX97X00X 肺癌の手術入院 82 15.93 10.83 0.00% 72.66
040170XXXXXX0X 非結核性抗酸菌症の手術入院 39 22.13 9.38 0.00% 61.03
040150XX97X00X 肺・縦隔の膿瘍形成 手術入院 24 39.21 29.23 4.17% 72.17
040040XX9910XX 肺の検査入院(気管支鏡検査等) 17 2.12 3.39 0.00% 75.00
040200XX01X00X 気胸 手術入院 13 9.92 10.08 0.00% 41.92
 当科は、低肺機能の患者さんにも対応すべく、手術前後の呼吸リハビリテーションを入念に行っています。また、他院ではあまり行われていない 「肺非結核性抗酸菌症」に対する手術も積極的に行っており、全国から多くの患者さんが受診されています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XXXX 小腸大腸ポリープ切除入院 35 4.34 2.66 0.00% 69.69
060035XX99X0XX 結腸癌の検査または内科的治療入院 30 3.00 8.33 0.00% 82.80
060100XX99XXXX 小腸大腸ポリープの検査または内科的治療入院 3.00
060185XX99X0XX 潰瘍性大腸炎の内科的治療入院 12.71
060020XX99X0XX 胃癌の検査または内科的治療入院 10.73
 当科は、悪性腫瘍に対する化学療法や、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎などの内科的治療を行っています。 大腸ポリープに対する内視鏡的切除術も数多く行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XXXX 小腸大腸ポリープ切除入院 88 4.49 2.66 0.00% 69.17
060035XX99X0XX 結腸癌の検査または内科的治療入院 57 6.12 8.33 5.26% 79.21
060035XX99X6XX 結腸癌の化学療法入院 57 4.04 4.51 0.00% 67.72
060040XX99X6XX 直腸癌の化学療法入院 41 4.80 4.48 0.00% 72.05
060102XX99XXXX 大腸憩室症、憩室出血の内科的治療入院 41 11.27 7.74 0.00% 68.27
 当科は、ヘルニアや胆石等の手術に加え、消化器全般の悪性腫瘍に対する手術を行っています。 その中でも大腸(結腸)癌に対する手術が最も多く行われています。
 悪性腫瘍に対し、検査から手術(通常1回)を施行した後の化学療法(複数回)なども引き続き当科で行っており(主治医が変わらぬ利点あり)、手術なし治療群が症例数上位を占める結果となっていますが、手術数も豊富です
 2020年度も消化器外科入院のトップは、小腸大腸ポリープ切除でしたが、昨年(174)の半数(88)に激減しました。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010XX010XXX 乳癌の手術入院 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う(内視鏡下によるものを含む。)) 78 14.92 10.30 0.00% 66.74
090010XX99X4XX 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:ゲムシタビン塩酸塩、シクロホスファミド;塩酸エピルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル水和物) 38 3.97 4.15 0.00% 55.74
090010XX02XXXX 乳癌の手術入院 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 18 11.50 6.02 0.00% 55.72
090010XX011XXX 乳癌の手術入院 乳房部分切除術(腋窩部郭清および再建術を伴う (内視鏡下によるものを含む。)) 10 13.60 15.87 0.00% 56.20
090010XX99X8XX 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:ペルツズマブ) 10 4.00 4.31 0.00% 59.50
 当科は、乳房の悪性腫瘍に対する手術(創痕の小さい内視鏡補助下手術を中心に)および化学療法を行っています。 術後はリハビリをしっかり行って退院することを原則としており、在院日数がやや長めとなっています。十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながると考えています。
糖尿病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007XXXXXX1XX 2型糖尿病の教育または治療入院(インスリン製剤の使用) 11 13.27 14.60 0.00% 61.82
100040XXXXX00X 糖尿病性ケトアシドーシスの治療入院 副傷病 なし 13.33
10006XXXXXX1XX 1型糖尿病の教育または治療入院(インスリン製剤の使用) 13.57
10007XXXXXX0XX 2型糖尿病の教育または治療入院 11.26
100040XXXXX01X 糖尿病性ケトアシドーシスの治療入院 副傷病 あり 24.05
 糖尿病専門医師が担当し、入院治療により、早期にインスリン治療を行います。その結果、インスリン注射からの離脱率が高く、多くの方で経口剤での外来治療が可能となっています。また、外来では高脂血症の専門的な診断治療も行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 18 14 1 6,8
大腸癌 16 19 30 70 104 146 1 6,7,8
乳癌 40 78 11 19 25 1 8
肺癌 138 60 144 283 158 195 1 7,8
肝癌 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 数字は延べ患者数(延べ入院回数)ですので、患者実数とは異なります。 また、癌のステージは転移の有無などを総合的に検討して決定されるため、初回検査入院時に癌の診断が確定しても、その時点では転移の有無が不明であり、ステージも不明となります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 36 12.42 60.47
中等症 115 18.09 80.32
重症 30 22.53 84.27
超重症
不明
 軽症と比較し、中等症の平均年齢は20歳高くなっており、重症までは重症度が上がるほど平均年齢も高くなっています。超重症は今年度 数例のみでした。なお新型コロナ肺炎は市中肺炎には算定されておりません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内
その他
 当院は、脳梗塞症例は積極的には受け入れていません。 他疾患で当院入院中に脳梗塞が合併した場合は、内科的治療のみを行い、更なる治療(血栓溶解療法等)が必要な場合は他院を紹介させていただいています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢)など 66 5.76 12.70 0.00% 68.12
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 49 7.63 4.67 0.00% 65.73
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 10 9.10 5.10 0.00% 45.20
K508 気管支狭窄拡張術(気管支鏡によるもの)
K488-4 胸腔鏡下試験切除術
 当院では、喀血・血痰をコントロールする治療として、気管支動脈塞栓術を積極的におこなっており、放射線科医による専門外来も開いています。また、がん患者さんが点滴をおこなう際の針による痛みを最小限にすることや、抗がん剤が血管外に漏れることを心配せず安心して投与を受けられるように、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込み型カテーテルの設置を積極的におこなっています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 52 4.65 10.77 0.00% 72.25
K5134 胸腔鏡下肺切除術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 22 6.45 13.68 0.00% 60.50
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 22 4.73 10.59 0.00% 73.32
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 13 4.85 4.08 0.00% 41.92
K488-4 胸腔鏡下試験切除術
 当院では肺癌の手術のみならず「非結核性抗酸菌症」の手術においても積極的に胸腔鏡下手術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 31 0.16 3.00 0.00% 69.61
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う)
K688 内視鏡的胆道ステント留置術
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
  「内視鏡的大腸ポリープ切除」治療は3泊4日のクリニカルパスにて行っています。 ポリープ切除後は、出血の有無の確認のため入院していただいています。 その他、上部・下部消化管止血術や胆道ステント留置術など、内視鏡的手術も行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 81 0.23 3.22 0.00% 69.10
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 41 2.29 4.71 0.00% 60.51
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 29 2.03 3.10 0.00% 72.93
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 23 10.87 18.17 4.35% 76.96
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わない) 20 0.90 5.60 0.00% 48.25
 当科は、結腸癌の手術をはじめ、直腸癌や胃癌等、消化器の悪性腫瘍手術や胆石・胆嚢炎、虫垂炎、鼠径ヘルニア、他院では対応困難な腸結核合併症なども含む消化器全般の手術(腹腔鏡手術を含む)を数多く行っています。また、消化器内科医師と協力して内視鏡的治療も多数行っています。
乳腺甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 50 2.46 10.74 0.00% 64.68
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴う)・胸筋切除を併施しない) 26 2.54 12.46 0.00% 69.04
K016 動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術 19 2.63 7.95 0.00% 55.11
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う(内視鏡下によるものを含む)))
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm未満)
 乳房の悪性腫瘍の手術を行った患者さんは、術後はリハビリをしっかり行って退院することを原則としており、在院日数がやや長めとなっていますが、前年よりは短縮傾向となっています。十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながると考えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
 播種性血管内凝固症候群(DIC)は重症感染症などに合併する血液凝固異常で、敗血症は本来無菌である血液中でも細菌が増殖する、どちらも重篤な病態です。当院は重篤な呼吸器感染症や消化器感染症を治療する機会も多く、これらの病態も少ないながら認められました。 敗血症の発生率は昨年度(0.39%)とほぼ同様(0.34%)でした。
更新履歴
2021/09/29