平成29年度 公財)複十字病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 29 68 98 273 443 1016 1583 971 155
 当院は日本有数の結核診療の伝統を有する病院であり、その流れから呼吸器疾患患者さんが多数を占めています。呼吸器疾患は加齢に伴い発症し、慢性化しやすい特徴を有します。また消化器科・乳腺科・糖尿病科も長くかかりつけの患者さんが多いのが特徴です。 入院患者さんに占める70歳以上の方の割合は58.4%でした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺癌の検査入院(気管支鏡検査等) 383 3.68 3.59 1.04% 71.42
040110xxxxx0xx 間質性肺炎の内科的治療入院 198 23.17 19.65 3.03% 73.40
040040xx99000x 肺癌の内科的治療(手術、化学療法、放射線治療なし) 118 19.47 14.60 11.86% 73.81
040170xxxxxx0x 非結核性抗酸菌症の内科的治療入院 82 23.18 9.96 3.66% 65.78
040040xx99040x 肺癌の化学療法入院 72 11.26 11.99 0.00% 69.04
 当院では積極的に気管支鏡を用い、呼吸器疾患の診断を早期に行うよう努めておりますが、同時に間質性肺炎専門外来が開かれたことより、その診断目的の気管支鏡検査数も増加傾向です。肺癌の治療目的入院は外来化学療法に移行しているため少なく見えますが、現実にはかなり多くの患者さんを治療しています。非結核性抗酸菌症は他医療機関からのご紹介が多いため、重症例には入院で初期導入を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺癌の手術入院 118 16.92 12.35 2.54% 70.18
040170xxxxxx0x 非結核性抗酸菌症の手術入院 31 24.77 9.96 0.00% 55.48
040200xx01x00x 気胸の手術入院 27 10.22 10.04 0.00% 25.85
040040xx9910xx 肺癌の検査入院(気管支鏡検査等) 22 2.00 3.59 0.00% 70.32
040040xx99000x 肺癌の内科的治療入院(手術、化学療法、放射線治療なし) 18 11.44 14.60 5.56% 79.17
 当科は、低肺機能の患者さんにも対応すべく、手術前後の呼吸リハビリテーションを入念に行っています。また、他院ではあまり行われていない 「肺非結核性抗酸菌症」に対する手術も積極的に行っており、全国から多くの患者さんが受診されています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x00x 結腸癌の検査入院または内科的治療入院 41 3.39 7.21 0.00% 81.17
060020xx99x00x 胃癌の内科的治療入院 10 4.10 11.11 0.00% 80.00
060102xx99xxxx 大腸憩室症、憩室出血の内科的治療入院
060185xx99x0xx 潰瘍性大腸炎の内科的治療入院
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)の内科的治療入院
 当科は、悪性腫瘍に対する化学療法や、胃十二指腸潰瘍、大腸憩室炎などの内科的治療を行っています。 大腸ポリープに対する内視鏡的切除術も数多く行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x60x 結腸癌の化学療法入院(抗がん剤:アバスチン) 112 4.74 4.47 0.00% 65.45
060035xx99x00x 結腸癌の検査入院または内科的治療入院 76 5.62 7.21 2.63% 77.80
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞の内科的治療入院 52 13.77 8.98 1.92% 73.48
060102xx99xxxx 大腸憩室症、憩室出血の内科的治療入院 39 11.56 7.87 0.00% 68.62
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 39 7.41 5.50 0.00% 46.85
 当科は、ヘルニアや胆石等の手術に加え、消化器全般の悪性腫瘍に対する手術を行っています。 その中でも大腸(結腸)癌に対する手術が最も多く行われています。
 悪性腫瘍に対し、手術(通常1回)を施行した後の化学療法(複数回)なども引き続き当科で行っており(主治医が変わらぬ利点あり)、手術なし治療群が症例数上位を占める結果となっていますが、手術数も豊富です。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx02x0xx 乳癌の手術入院(単純乳房切除術(乳腺全的術)等) 56 19.46 10.15 0.00% 66.30
090010xx01x0xx 乳癌の手術入院(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む)) 27 24.00 11.45 0.00% 58.59
090010xx99x40x 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:エンドキサン+エピルビシン、ドセタキセル、パクリタキセル等) 26 6.00 4.49 0.00% 58.35
090010xx03x0xx 乳癌の手術入院(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)(内視鏡下によるものを含む)) 24 17.00 6.37 0.00% 60.00
090010xx99x6xx 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:ハーセプチン等) 16 4.00 4.42 0.00% 62.56
 当科は、乳腺科専門医師が乳房の悪性腫瘍に対する手術(傷痕の小さい内視鏡補助下手術含む)および化学療法を行っています。 術後はリハビリをしっかり行って退院することを原則としており、在院日数がやや長めとなっていますが、前年よりは短縮傾向です。十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながると考えています。
糖尿病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x110 2型糖尿病(末梢循環不全なし)の教育入院または治療入院(インスリン製剤の使用あり 副傷病あり) 27 14.56 15.87 0.00% 66.44
100070xx99x100 2型糖尿病(末梢循環不全なし)の教育入院または治療入院(インスリン製剤の使用あり)
100071xx99x110 2型糖尿病(末梢循環不全あり)の教育入院または治療入院(インスリン製剤の使用あり 副傷病あり)
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)の内科的治療入院
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシスの治療入院
 糖尿病専門医師が担当し、入院治療により、インスリン療法離脱を目標に治療を行っています。また、外来では高脂血症の専門的な診断治療も行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 17 25 17 22 1 7
大腸癌 28 26 72 84 40 164 2 7
乳癌 46 52 17 37 1 7
肺癌 149 43 99 265 228 279 1 7
肝癌 2 5
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 数字は延べ患者数(延べ入院回数)ですので、患者実数とは異なります。 また、癌のステージは転移の有無などを総合的に検討して決定されるため、初回検査入院時に癌の診断が確定しても、その時点では転移の有無が不明であり、ステージも不明となります。
 当院は、治癒困難例(進行例)の緩和ケアにも積極的に取り組んでおり、主治医のみならず緩和ケアチームも患者さんやご家族をサポートしています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 50 12.58 57.06
中等症 253 17.95 78.20
重症 29 21.86 79.28
超重症 31 24.42 82.52
不明
 軽症と比較し、中等度以上の平均年齢は20歳以上高くなっており、重症度が上がるほど平均年齢も高くなっています。また、重症度が上がるほど在院日数も長くなっております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内
その他
 当院は、脳梗塞症例は積極的には受け入れていません。 他疾患で当院入院中に脳梗塞が合併した場合は、内科的治療のみを行い、更なる治療(血栓溶解療法等)が必要な場合は他院を紹介させていただいています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 68 4.00 16.96 0.00% 66.43
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 31 5.97 5.32 0.00% 64.32
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢)
K509-4 気管支瘻孔閉鎖術
 当院では患者さんが薬剤の血管外漏出を心配せず、安心して抗がん剤投与を受けられるように、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込み型カテーテルを設置しており、その件数は増加傾向です。また、喀血症例の治療として、気管支動脈塞栓術チームを立ち上げ、徐々に件数が増加しています。放射線科医による専門外来も開設いたしました。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 86 5.19 12.01 3.49% 70.43
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) 36 8.64 13.47 0.00% 52.44
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 31 7.16 6.45 0.00% 28.00
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 17 4.12 11.12 0.00% 71.71
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)
当院では肺癌の手術のみならず「非結核性抗酸菌症」の手術においても積極的に胸腔鏡下手術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 90 0.09 3.06 0.00% 67.82
K722 小腸結腸内視鏡的止血術
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)
K654 内視鏡的消化管止血術
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)
 「内視鏡的結腸ポリープ切除」治療は3泊4日のクリニカルパスにて行っています。 ポリープ切除後は、出血の有無の確認のため入院していただいています。 その他、上部・下部消化管止血術や胆道ステント留置術など、内視鏡的手術も行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 191 0.07 3.05 0.00% 65.09
K6335 鼠径ヘルニア手術 60 1.62 5.25 0.00% 69.73
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 32 3.28 6.75 0.00% 59.84
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 29 7.28 21.03 0.00% 72.59
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 18 0.00 3.00 0.00% 62.67
 当科は、結腸癌の手術をはじめ、直腸癌や胃癌等、消化器の悪性腫瘍手術や胆石・胆嚢炎、虫垂炎、鼠径ヘルニア、他院では対応困難な腸結核合併症なども含む消化器全般の手術を数多く行っています。また、消化器内科医師と協力して、内視鏡的ポリープ切除治療を多数行っています。
乳腺甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 53 3.04 15.87 0.00% 66.53
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 24 3.00 13.00 0.00% 60.00
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 23 3.17 19.70 0.00% 58.00
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm未満) 13 0.08 0.92 0.00% 45.23
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う))
 乳房の悪性腫瘍の手術を行った患者さんは、術後はリハビリをしっかり行って退院することを原則としており、在院日数がやや長めとなっていますが、前年よりは短縮傾向です。十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながると考えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 24 0.52%
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
 播種性血管内凝固症候群(DIC)は重症感染症などに合併する血液凝固異常で、敗血症は本来無菌である血液中でも細菌が増殖する、どちらも重篤な病態です。当院は重篤な呼吸器感染症や消化器感染症を治療する機会も多く、これらの病態も少ないながら認められました。 
 手術・処置の合併症は、軽症で治癒しています。
更新履歴
2018/09/28