平成28年度 公財)結核予防会 複十字病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 27 77 103 270 473 1074 1543 995 149
 当院は日本有数の結核診療の伝統を有する病院であり、勢い呼吸器疾患患者さんが多数を占めています。呼吸器疾患は加齢に伴い発症し、慢性化しやすい特徴を有します。また消化器科・乳腺科・糖尿病科も長くかかりつけの患者さんが多いのが特徴です。 入院患者さんに占める70歳以上の方の割合は57.0%でした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺癌の検査入院(気管支鏡検査等) 335 3.66 3.68 0.90% 70.86
040110xxxxx0xx 間質性肺炎の内科的治療入院 139 27.73 19.92 4.32% 73.51
040040xx99040x 肺癌の化学療法入院 121 12.02 12.35 0.00% 68.40
040040xx99000x 肺癌の内科的治療入院 (手術、化学療法、放射線療法なし) 119 20.51 14.83 6.72% 75.25
040170xxxxxx0x 非結核性抗酸菌症の内科的治療入院 116 22.05 10.61 0.86% 67.81
当院の呼吸器診療の柱は肺癌であり、検査数、治療のいずれも増加傾向にあります。同時に外来化学療法を行っているため、実質の治療患者数はさらに多いことが推測されます。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺癌の手術入院 103 17.77 12.73 0.00% 69.53
040170xxxxxx0x 非結核性抗酸菌症の手術入院 34 25.24 10.61 0.00% 53.53
040040xx99040x 肺癌の化学療法入院 31 13.19 12.35 0.00% 63.00
040040xx9910xx 肺癌の検査入院(気管支鏡検査等) 25 2.64 3.68 0.00% 72.36
040200xx01x00x 気胸の手術入院 20 9.05 10.09 0.00% 25.50
 当科は、低肺機能の患者さんにも対応すべく、術前術後の呼吸リハビリテーションを入念に施行しています。また、他院ではあまり行われていない 「非結核性抗酸菌症」に対する手術も積極的に施行しており、全国から多くの患者さんが受診されています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x00x 結腸癌の検査入院 または 内科的治療入院 39 3.00 7.20 0.00% 80.49
060102xx99xxxx 大腸憩室症、憩室出血の内科的治療入院 13 9.00 7.89 0.00% 69.62
060020xx99x00x 胃癌の内科的治療入院 11 9.55 11.20 0.00% 79.64
060185xx99x0xx 潰瘍性大腸炎の内科的治療入院 - - - - -
060100xx01xx0x 大腸ポリープの内視鏡的手術入院 - - - - -
 当科は、悪性腫瘍に対する化学療法や、胃十二指腸潰瘍、大腸憩室炎など手術を伴わない消化器疾患の内科的治療を行っています。 大腸ポリープに対する内視鏡的切除術も数多く行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x60x 結腸癌の化学療法入院 (抗がん剤:アバスチン) 170 5.05 4.48 0.00% 65.43
060035xx99x00x 結腸癌の検査入院 または 内科的治療入院 94 4.98 7.20 2.13% 79.27
060040xx99x60x 直腸癌の化学療法入院 (抗がん剤:アバスチン) 46 5.20 4.41 0.00% 61.61
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎の内科的治療入院 36 8.31 5.50 0.00% 55.75
060210xx99000x 腸閉塞(イレウス)の内科的治療入院 35 10.11 9.08 2.86% 68.54
 当科は、ヘルニアや胆石等の手術に加え、消化器全般の悪性腫瘍に対する手術を行っています。 その中でも大腸(結腸)癌に対する手術が最も多く行われています。
 悪性腫瘍に対し、手術(通常1回)を施行した後の化学療法(複数回)なども引き続き当科で行っている(主治医が変わらぬ利点あり)ため、手術なし治療群が症例数上位を占める結果となっていますが、手術数も豊富です。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx02x0xx 乳癌の手術入院 (単純乳房切除術(乳腺全摘術)等) 40 18.00 10.30 0.00% 62.35
090010xx99x40x 乳癌の化学療法入院 (抗がん剤:エンドキサン+エピルビシン,ドセタキセル,パクリタキセル等) 37 4.03 4.64 0.00% 52.46
090010xx01x0xx 乳癌の手術入院 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 33 24.42 11.57 0.00% 61.18
090010xx03x0xx 乳癌の手術入院  乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 25 18.36 6.59 0.00% 62.32
090010xx99x6xx 乳癌の化学療法入院(抗がん剤:ハーセプチン等) 15 4.00 4.56 0.00% 59.20
 当科は、乳腺科専門医師が乳房の悪性腫瘍に対する手術(傷痕の少ない内視鏡下手術含む)を行っています。 術後のリハビリを行って退院することが多いため、在院日数が長めですが、十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながります。また、術前や術後の化学療法も行っています。
糖尿病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x100 2型糖尿病(末梢循環不全あり) の教育入院 または 治療入院 インスリン製剤使用あり - - - - -
100070xx99x100 2型糖尿病(末梢循環不全なし) の教育入院 または 治療入院 インスリン製剤使用あり - - - - -
100071xx99x110 2型糖尿病(末梢循環不全あり)の教育入院 または 治療入院 インスリン製剤使用あり 副傷病あり - - - - -
100070xx99x000 2型糖尿病(末梢循環不全なし) の教育入院 または 治療入院 インスリン製剤等使用なし - - - - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシスの治療入院 - - - - -
糖尿病専門医師が担当し、入院治療により、外来でのインスリン療法離脱を目標に治療を行っています。外来では高脂血症の専門的な診断治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 23 - 14 26 12 31 1 7
大腸癌 14 43 58 109 43 171 1 7
乳癌 55 47 20 14 - 24 1 7
肺癌 155 82 102 287 201 235 1 7
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 数字は延べ患者数(延べ入院回数)ですので、患者実数とは異なります。 また、癌のステージは転移の有無などを総合的に検討して決定されるため、初回検査入院時に癌の診断が確定しても、その時点では転移の有無が不明であり、ステージも不明となります。なお、治癒困難例(進行例)の緩和ケアにも積極的に取り組んでおり、主治医のみならず緩和ケアチームも患者さんやご家族をサポートしています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 21 12.38 56.10
中等症 73 21.40 76.01
重症 55 21.22 80.51
超重症 18 41.22 81.44
不明 - - -
 軽症と比較し、中等度以上の平均年齢は20歳ほど高くなっており、重症度が上がるほど平均年齢も高くなっています。超重症例は残念ながら入院後間もない時期の死亡例もあり、平均在院日数が短くなっています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
 当院は、脳梗塞症例は積極的には受け入れていません。 他疾患で当院入院中に脳梗塞が合併した場合は、内科的治療のみを行い、更なる治療(血栓溶解療法等)が必要な場合は他院を紹介させていただいています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 38 5.71 31.21 2.63% 67.95
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 21 6.57 9.38 0.00% 66.76
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢に設置した場合) 14 18.71 45.21 21.43% 79.64
K509-4 気管支瘻孔閉鎖術 12 19.92 57.17 16.67% 69.17
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) - - - - -
呼吸器内科は肺癌症例数増加に伴い、患者さんにとって利便性が高い手技を積極的に用い、治療を安楽に受けられるよう、様々な手技を行っています。そのため抗癌剤投与経路確保として持続注入植込型カテーテル設置数は増加しております。また、喀血患者さんに対して止血法として血栓塞栓術が積極的に行われるようになり、件数が伸びております。患者さんの利益を図るために今後も新しい手技を取り入れていく予定です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 80 4.45 13.19 1.25% 69.04
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他のもの) 38 11.89 14.32 0.00% 52.55
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 20 2.70 4.75 0.00% 26.95
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 12 4.17 8.08 0.00% 73.92
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) - - - - -
 肺癌をはじめ、気胸やその他の良性肺疾患等に対して、胸腔鏡下の手術を多く行っています。また、他院ではあまり行われていない「多剤耐性結核症」や「非結核性抗酸菌症」に対する「肺切除術等(胸腔鏡下含む)」も行われています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 87 0.01 3.10 0.00% 66.89
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) - - - - -
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 - - - - -
 「内視鏡的結腸ポリープ切除」治療は3泊4日のクリニカルパスにて行っています。 ポリープ切除後は、出血の有無の確認のため入院していただいています。 その他、上部・下部消化管止血術や胆道ステント留置術など、内視鏡的手術も行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 179 0.11 3.05 0.00% 67.35
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 51 1.14 5.12 0.00% 68.55
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 42 8.38 21.00 4.76% 74.64
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 28 3.57 8.14 0.00% 59.71
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 26 15.58 5.73 0.00% 65.23
 当科は、結腸癌の手術をはじめ、直腸癌や胃癌等、消化器の悪性腫瘍手術や胆石・胆嚢炎、虫垂炎、鼠径ヘルニア、他院では対応困難な腸結核合併症なども含む消化器全般の手術を数多く行っています。また、消化器内科医師と協力して、当科においても内視鏡的ポリープ切除治療を多数行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 36 3.11 13.92 0.00% 61.11
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 30 2.90 21.17 0.00% 61.60
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 25 3.36 14.00 0.00% 62.32
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル未満) 13 0.00 1.00 0.00% 51.08
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル以上) - - - - -
 乳房の悪性腫瘍の手術を行った患者さんは、術後のリハビリを行って退院されることが多いため、在院日数が少し長めになっています。 十分なリハビリを行う事によって、術後の浮腫などの予防につながります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 17 0.36%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 「播種性血管内凝固症候群(DIC)は重症感染症などに合併する血液凝固異常で、敗血症は本来無菌である血液中でも細菌が増殖する、どちらも重篤な病態です。当院は重篤な呼吸器感染症や消化器感染症を治療する機会も多く、これらの病態も少ないながら認められました。手術・処置の合併症は、内視鏡的ポリープ切除後の出血、術後の疼痛などで、全例軽症で治癒しています。」
更新履歴
2017/09/28