結核予防会複十字病院(以下「当院」)は、患者さま及び病院職員に安全で快適な医療環境を提供する必要から、感染予防と感染制御の対策に取り組むための基本的な考え方等を定めました。
当院の院内感染対策は、医療機関内においては感染症の患者さまと感染症に罹患しやすい患者さまとが同時に存在していることを前提に、全ての患者さまが感染症を保持し、かつ罹患する危険性を併せ持つと考えて対処する「スタンダードプリコーション(標準予防対策)」の観点に基づいた医療行為を実践します。あわせて必要時は感染経路別予防策を実施します。病院内外の感染症情報を広く共有して院内感染の危険および発生に迅速に対応することを目指します。
また、院内感染が発生した事例については、速やかに情報収集を行い、事例を発生させた感染対策システム上の問題究明に努め、これを改善していきます。
更に、院内感染事例の発生頻度を、院外の諸機関から公表される各種データと比較し、わが国の医療水準を上回る安全性を確保して患者に信頼される医療サービスを提供して、医療の質の向上に寄与することを基本姿勢とします。こうした基本姿勢をベースにした院内感染対策活動の必要性、重要性を全部署及び全職員に周知徹底し、院内共通の課題として積極的な取り組みを行います。
当院の院内感染対策委員会は病院長の諮問機関として、その指名を受けた委員長が病院各部署のスタッフを任命して月1回開催して院内感染予防対策の策定と推進を行ってきました。平成16年4月からは感染予防対策の決定機関として病院管理職を中心とした委員構成に改変し、同委員会が策定した感染対策を実施するための実働部隊として感染対策チーム(Infection Control Team : ICT)を新たに立ち上げ活動してきました。さらに平成18年には、安全管理室が設立され、ICTのメンバーも感染制御医師(ICD)と感染制御看護師(ICN)をコアメンバーとする組織へとレベルアップされ、同室長(副院長)を議長とした現在の組織がスタートしました。緊急時は、緊急安全管理委員会(院内感染対策委員会メンバーが含まれる)、臨時安全管理委員会が開催され、安全管理室とICTが速やかに実働します。
そして、看護部にはリンクナース(看護部感染委員会メンバー)を置き、感染対策の円滑な実施、推進を行います。
病院職員の感染対策に対する意識向上を図るため、感染対策に関する研修を院内必修研修規約に則り年2回全職員対象に行うほか、必要に応じて行います。
院内感染の発生の予防及びまん延の防止を図るため、週1回毎に「感染情報レポート」を作成します。必要な場合は紙面情報として病院職員に周知し、リアルタイムな情報の共有に努めます。
また、院内感染対策委員会やICTの中でまとめて分析した資料での報告を行い、病院運営連絡会議を通じて院内全職員への周知を行います。
さらに月2回以上発行するICTニュースや病院電子掲示板(病院グループウエアサイボーズ)では、マニュアル変更やリアルタイムな情報、多摩小平保健所管内や東京都の感染情報なども提供します。
感染症患者が発生した場合は、次の対応を行い、かつ届出義務のある感染症患者が発生した場合には、感染症法に準じて行政機関へ報告します。 なお、感染症患者とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という)に規定されている対象疾患や院内感染の恐れのあると判断される者すべてをいいます。
感染症患者が発生した場合は、担当医又は看護師長から安全管理室に報告するとともに「感染症発生報告書」を提出します。
細菌検査室は多剤耐性菌の検出や、複数の同一菌の検出または希少な菌の検出などが見られたときは安全管理室へ報告します。微生物の分離率や感染症報告などから、アウトブレイクあるいは異常発生を迅速に特定します。
報告が義務付けられている感染症が特定された場合は、速やかに保健所に報告します。
感染症患者の発生の緊急時(重大な院内感染等の発生)には、担当医又は看護師長は安全管理室に、直ちに報告を行い、報告を受けた安全管理室は病院長に報告するとともに緊急安全管理委員会(緊急感染対策委員会)を開催し、速やかな対策を講じます。
病院感染のアウトブレイクや、重症者・死亡者などが出た場合の保健所報告については病院長が判断します。
安全管理室は特定の感染症の院内集団発生を検知し、病院内の感染管理組織機能のみでアウトブレイクへの対応が不十分な場合は、多摩・小平保健所、国立感染症研究所相談窓口などを活用し、外部支援を要請します。(厚生労働省地域支援ネットワーク担当事務局、あるいは、日本環境感染学会認定教育病院担当者に相談する。日本感染症学会施設内感染対策相談窓口〔厚労省委託事業〕へのファックス相談も活用できる。)
感染伝播リスクのある患者さまへ担当医が、微生物が検出された事実及び蔓延防止に必要な感染対策を説明し同意を得ます。また必要であればご家族にも説明し同意を得ます。
この指針は、患者さまやご家族の皆様に感染対策への理解と協力を得るため、院内掲示や病院ホームページに記載などを行い、積極的な閲覧に努めます。
院内感染対策の推進のため、「院内感染対策マニュアル」を整備して、病院電子掲示板(病院グループウエアサイボーズ)に掲載して病院職員に周知徹底を図ります。また、このマニュアルは各部署へ紙ベースでの整備も行い、定期的な見直しを行います。
職員は、複十字病院感染対策マニュアルに記載された感染対策を実施します。感染対策上の疑義については、安全管理室又はICTと十分に協議します。
職員は、自部署の感染対策上の問題発見に努め、安全管理室、ICTと協働しこれを改善します。
職員は、病院感染を防止するため、ワクチン接種を積極的に受けます。また日頃から、健康管理を十分に行い、自身の感染症罹患時またはその疑いのある場合は速やかに院内報告体制に基づき報告します。
財団法人結核予防会複十字病院病院長 尾形 正方
院内感染対策委員会
平成19年11月1日 初版

私は清瀬の日本看護協会研修学校を2006年3月に卒業し、感染管理認定を取得した6期生のまだまだ駆け出しの認定看護師です。当院では同年4月に安全管理室が設置され、感染管理活動の組織的な活動がより推進されました。
感染対策委員会(ICC)は院長を始め副院長、各部長、検査科長・薬剤科長からなる感染管理に関する決定機関として月に1回の会議を開催しています。
感染対策チーム(ICT)は月に2回の会議の開始前に院内ラウンドを行ない、実際の問題解決をしていく感染管理の実働部隊として活動しています。当院における院内感染マニュアルは、この会議の中で具体的な案が練られ、ICCで承認されます。
そして、看護部感染委員会には各部署から1名の委員が参加し、ICTの薬剤師や検査技師を講師にお願いして学習会を開催したり、部署の抱える問題などを相談して対策などを話し合っています。
院内全体の感染管理に関する教育は委託業者を含めて企画し、実践しています。平成18年度は看護師のレベルアップ研修を90分5回コースで実施し、修了証明書には院長名を入れて頂き手渡すことが出来ました。また院内各部門には遠慮無くお邪魔して、お願いしたり、お願いされたり(指導・相談)しています。
